森林整備事業
森林整備事業
苗木の生産
当地域では、土壌条件が悪く、これまで育苗生産はごく小規模でしか行われず、長年苗木供給は宮崎県に依存していきました。しかし近年九州各県においても主伐が進み、再生の糧である苗木不足が深刻な問題となってきました。苗木生産者も、高齢化により増産が厳しい状況の中、管内の再造林を推進するため、当組合自ら新生産方式によるスギコンテナ苗生産に着手しました。自らが生産に取り組み、苗木の安定供給への道筋を付け、生産技術を確立し組合だけの生産ではなく、地域の森林所有者等に生産技術の普及を図ることを目的として苗木生産に取り組んでいます。
植える
戦後に植林されたスギは収穫期に達し、伐採される面積は年間300haを超え、伐採された跡地を再生させるためには70~80万本の苗木が必要となります。ここ佐伯地域の気候は、高温多湿で雪がほとんど降らない南海型気候に属し、この恵まれた気候はスギの生育に最も適しています。伐採された跡地は、「地ごしらえ」という作業によりきれいに整地されスギ、ヒノキの苗木を1本1本ていねいに植え付け、また山と人との関係が半世紀続きます。
育てる
苗木は雑草やつるより成長が遅いため、放っておくと生育を妨げられてしまいます。雑草に覆われてしまい、つるに巻かれた苗木は枯死してしまう可能性もあります。そうならないよう、雑草のいちばん繁茂する夏場に下刈りという作業を行います。苗木が健やかに成長できるように手助けし、大事に育てていきます。当地域では一般的に6年生になるまでこの下刈り作業を行います。
守る
10年生ともなると苗木は四方に枝を張り樹高は4~5mに成長します。しかし、下刈りを終え、10年生になるまでの4~5年間で今度は林内にかん木類が植生してきます。このかん木類に主林木の成長が抑圧されないよう、また主林木間の近いものなどを取り除く「除間伐」という作業、また主林木につる類の巻き付きを防ぐための作業で、節の少ない材をつくるため余分な枝を切り取る「枝打ち」作業が必要になります。
間伐
15~20年生となると主林木は成長し、林内は込み合い陽光も当たり難く、木の根張りは悪く、下層植物は絶え、水分を蓄えきれず枯死する木も出てきます。林内に十分な陽光を入れ、主林木の成長を妨げない下層植物との共生を促すことで、根張りもよく合わせて災害に強い健全な森を作るため、劣勢木、不良木の除去、間隔を整えるなど「間伐」という作業を主伐期までの間何度か繰り返し行います。