佐伯型循環林業
佐伯型循環林業
佐伯広域森林組合は、佐伯型循環林業完成プロジェクトを行っています。
本プロジェクトの目的
- 佐伯型循環林業は、地域資源をフルに活用し、地域の雇用創出・永続的に守るための地域循環・地域活性化に向けた取組みを行う。
- 循環林業の直面する課題を克服するために、行政・地域内・県内・中央の協力を得て取り組む。
- 地域の未来を切り開く中央大手と地域企業のコラボレーションにより、大分県内の住宅業界の活性化を図る。
- 大型パネル工法の普及推進を通して、川下の情報を工場経営にマーケットイン手法により反映し、国産材の付加価値向上を図る。
各工程の説明
1.苗木生産・植林(造林) 「コンテナ苗、苗木生産」選抜された優良品種 「地拵、植付」伐採した後の乱木を棚組状に整理しスギ等の苗木を植え付ける 実施時期:2~5月 林齢:0年 |
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2.下刈 植林した苗木の育成を妨げる雑草を刈払い、つるを除去する作業 実施時期:6~8月 林齢:1~7年 |
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3.枝打・除伐 植林した木を被圧する雑木や巻き付いたつる、不良木を取り除く作業 (状況に応じ2回程度) 実施時期:9~翌3月 林齢:11~20年 |
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4.間伐 植林した木の成長により幹や枝が込み合ってくるので将来性のない木や感覚的に近すぎる気を切り倒す作業 (5~10年ごとに3~5回) 実施時期:9~翌2月 林齢:21~40年 |
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5.皆伐 (50年伐期施業) 成熟した森林を全部伐採します。植林から伐採までは、平均50年で循環させます。 実施時期:9~翌2月 林齢:50年程度 |
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6.原木集荷 丸太を効率的に集荷し、製材工場などに供給します。 |
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7. 製材 丸太を角材や板材などに効率よく加工し、建築用の構造材などを生産し消費者の手に届けます。 |
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8.木材利用 住宅などへの木材利用を進め、都市部に木造住宅を増やすことを目指し、街に新たな森林を作ることで二酸化炭素の貯蔵、排出抑制を通じて地球温暖化防止に貢献します。 |
課題
(1) 再造林 | 国・県の補助金及び市・県・基金を活用し、管内すべての伐採跡地に所有者負担なしで再造林できるよう取り組んでいるが、国・県・の公共事業予算の削減により事業へ影響がでる。 |
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(2) 苗木不足 | 隣県においても苗木不足となっており、コンテナ苗の生産体制の整備が必要。 |
(3) 造林班の後継者不足 | 苗木を植林する造林班が高齢化し、後継者不足の状態。 |
(4) 中間土場・原木集荷体制の整備 | 高性能林業機械の導入が進み、生産量の増加に伴い土場の不足・整備、グラップル等の配備が必要 |
(5) 未利用材搬出施業の確立 | 未利用材は、搬出が困難なことから、搬出専用運搬具と伐採現場の連携がカギとなる。 |
(6) 同業者との生存競争大型製材工場の稼働による影響 | |
(7) 川下の情報提供 | 国産材の永年の課題である、経験と勘に頼る工場経営からの脱却(大型パネル工法の普及推進にかかる(中央大手)と(地域企業)のコラボレーションにより、マーケットイン手法を導入して改善を図るプロジェクト) |
課題への挑戦
A:苗木不足対策 |
当地域は、赤土土壌のため露地苗の生産に向かず、苗木生産者がないため、苗木購入をすべて宮崎県に依存。しかし宮崎県でも苗木不足の状態。
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B:担い手対策 |
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C:未利用材の効率的搬出の確立 |
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D:中間土場の拡大 |
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E:製材品の新たな価値創造 |
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F:大型パネル真壁現し納まりで地域材の価値向上 |
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協力関係者
- 事業主体:佐伯広域森林組合
- コンテナ苗の生産:地域生産者協議会、大分県南部振興局、佐伯市
- 組合職員研修:大分県南部振興局
- 大型パネル工法の普及
(中央)大手建材販売商社、ハウスメーカー
(地域)プレカット工場、工務店、設計事務所、大分大学等研究機関